「今」はつねに更新され、瞬く間に過去へと遠ざかって行きます。
私たちがいつも「今」であり続けようとするなら、
皮肉にもその「今」を絶えず廃棄し続け、
次の「今」へと自ら「流れ」なければなりません。
一見逆説のようで当たり前のそのことを、
私たちが社名として選んだカレント –current– という言葉は
まさに象徴的に示しています。
カレントとは「今」と「流れ」と、その両方を意味する言葉です。
それはしかし「流れ」に身を任せるということではありません。
ひとつ先の「流れ」を読み、
もうひとつ先の「流れ」を創る。
それが私たちの目指すデザイン –design– です。
だから私たちがデザインと言うとき、
それは狭義にグラフィック・デザインを指してはいません。
人と人との関係を紡ぐ、場の、機会の、手段の、
つまりコミュニケーションの「今」を描くことを意味します。
言い換えるならそれは、人を動かす演出です。
目を惹き、心に刷り込み、背中を押してあげることで効果をもたらす、
そんなコミュニケーションを生み出して参ります。
そして私たちが考える効果とは、コミットするすべての人の幸せです。
笑顔とか、喜びとか、シンボリックな修辞は使わずに
敢えて幸せという少々むずがゆい言葉で表現します。
なぜなら「今」私たちは、照れたり、ためらったりすることなく
堂々と幸せを求めることが大切だと考えるからです。
偽らず、わかりやすく、そしてできるなら愉快に、
目先のことにもきちんと目を配りながら
誰かと誰かとの間に息の長い信頼関係を育むことで、
多くの人の幸せを実現したいと思っています。
どうぞ私たちに、皆さんの幸せづくりの
お手伝いをさせてください。